アメリカの現代美術作家、ロ二・ホーンが語る「創作と孤独、尽きることのないイマジネーション」(Harper’s BAZAAR(ハーパーズ バザー)) - Yahoo!ニュース
メイン州の沖に位置する、マウントデザート島。入り組んだ海岸線、山や湖が美しい景観を織りなすその島は、かつてロックフェラーやヴァンダービルト家ら富裕層に愛された歴史的な避暑地として知られている。アルカディア国立公園やバーハーバーといった名所につながる島内のメインロードから外れ、うっそうとした林の奥へと車を走らせると、携帯電話の電波が怪しくなっていく。 【写真】クリエイティブな才能を持つ女性たちが選ぶ、いま注目すべきアート界の新星たち GPSが使い物にならなくなり、いよいよ行き止まりかと焦ったところで、愉快そうに手を振るロニ・ホーンを見つけた。道に迷った私たちを心配して、自ら外で迎えてくれたのだ。 ロニ・ホーンは、ガラス彫刻、ドローイング、写真、インスタレーションとさまざまな様式を用いてコンセプチュアルな作品を生み出してきた、アメリカを代表する現代美術作家だ。その作品はMoMAやグッゲンハイム美術館に所蔵され、2009年にホイットニー美術館で開催された大々的な回顧展はテート・モダンにも巡回。世界各地の主要な美術館で個展を行っている。 生粋のニューヨーカーとしてメインスタジオをマンハッタンの五番街に構え、大がかりな制作を行うためのスタジオもニューヨーク郊外にあるが、彼女はこの夏、この島に新たなベースを手に入れていた。
海にせり出した敷地の中に立つ彼女のスタジオ兼住居は日本建築を彷彿とさせるミニマルなたたずまいのウッドキャビンだ。杉がほのかに香る真新しい室内を案内しながら、そこかしこで作業中の契約業者や内装職人たちのひとりひとりを友人のように紹介してくれるホーン。孤高のアーティストという人物像を勝手に抱いていたが、そのフランクなキャラクターと張りのある声、そして鋭いウイットからは、彼女の人間味が伝わってくる。 この地を選んだ理由を尋ねてみると、「荒々しい海と美しい地質、移り気な天候が気に入って、スタジオを構えることにしました。霧の日もあれば雨もある。そして夕焼けはフルタイムで見張らなくてはならないほどの強烈な美しさなのです」と教えてくれた。 いくつものプロジェクトを抱えている身ゆえ、この地に長居できないのが悩ましいというが、3棟あるキャビンには海に面したウッドデッキを備え、敷地内のいたるところに折り畳み椅子が置かれており、いかに彼女がこの島の景観に入れ込んでいるのかが伝わる。「もとは荒廃した物件でしたが、ここでやりたいことがすんなりと見えたのです。ゆくゆくは自分のレガシーを保存するためのベースにするつもりです」 この島以上に、ホーンの心を占める場所がもうひとつある。それがアイスランドだ。「バイクに乗って長期のロードトリップ中、資金が尽きて魚工場で働いたこともありました。魚をさばいたり、塩漬けにしたり。夜はテントを張って、暗闇の中でワタリガラスの鳴き声をひとり聴きながら眠る、最高の体験でした」と当時を回想する。 19歳で初めて目にしたアイスランドの荒涼としたランドスケープと天気、孤独な自然の体験こそが、今も彼女の創作の源になっている。「1975年から通い続けてもなお、私が自らすすんで足を運ぶ唯一の場所。アイスランドは私の自然観そのものなのです。アイスランドへのこの深遠な渇望は、私から消えることはないでしょうね」
3
6
7
ありがとうございます。
サービス改善に活用させていただきます。
0 件のコメント:
コメントを投稿