強気相場のリード役 米個人投資家の4つのタイプ(写真=AP)

2021年の米国株は割高感を警戒する声をよそに過去最高値を次々と更新してきました。米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の講演が注目された8月下旬のジャクソンホール会議の後にも懸念された波乱は起きず、主要株価指数のS&P500種株価指数とナスダック総合株価指数は最高値を更新しました。

ブルマーケット(強気相場)のリード役の一つが、米国の個人投資家です。日本でもコロナショック後に証券口座の開設が急増していますが、米国も同じ状況です。個人投資家の利用が多い米ネット証券大手の新規口座開設数は、コロナショックで株式市場が急落した2020年3月以降、2倍以上に伸びています。今回は米国の個人投資家の特色を紹介します。
このコラムは
米国株式市場の動向を現地で体感。米国株投資のタイムリーな情報をブログで発信し、個人投資家の間で人気を博している会社員投資家のもみあげさん(ハンドルネーム)。このトレンドウオッチャーが旬のトピックを個人投資家の目線で分かりやすく紹介します。
富裕層と中間層は安定志向
現在の米国の個人投資家は大きく4つのタイプに分かれます。まずは、230万ドル(約2億5300万円)以上の資産を持つ富裕層です。その特色は、安定的な資産運用を志向していることです。株価指数に連動するインデックス型のファンド(投資信託)の売買を資産運用の主軸にしています。また、債券や不動産などのハードアセット(現物資産)に投資している人が多いのも特徴です。さらに、IFA(独立系金融アドバイザー)などの専門家の助言を利用している人も多くいます。
富裕層が安定志向である理由の一つには、運用資産の額が大きいことがあります。低いリターンでも資産の増加額が大きいので、高いリターンを狙わなくても済むのです。インデックスファンドの長期保有で資産を増やしていくことを目指しているので、相場が急落しても、投げ売りに走るようなことはありません。
2つ目のタイプは、401k積み立て層です。米国で401kと呼ばれる確定拠出年金を利用して、インデックスファンドなどへの積み立て投資を続けてきた中間層以上の個人投資家です。預金の利息が低いことから、その代替として配当をもらう目的で配当利回りの高い個別企業の株を保有している人が多いのも特色です。
このタイプの中には2008年に起きたリーマン・ショック以降の米国株高で資産が100万ドル(約1億1000万円)を超えた人も少なくありません。預金代わりにインデックスファンドや高配当株に投資しているので、株式投資をしているという感覚が薄いのも特徴の一つです。富裕層と401k積み立て層がインデックスファンドへの投資を主体としていることが、主要株価指数を押し上げる大きな要因の一つになっているという側面もあります。
若い世代はトレンド好き
3番目のタイプが、ミレニアル世代の個人投資家です。ミレニアル世代は、1981~96年に生まれ、今年に25~40歳になる若い世代を指します。トレンドに敏感で、流行を追い掛ける人が多いのが特色です。株式投資でもESG(環境・社会・企業統治)、再生可能エネルギー、先端技術といったトレンドワードに関連していてクールに見える企業の株や投信の売買を好みます。トレンドに流されやすいためか、相場が急落した時には投げ売りする人が多いようです。
4番目がレディットユーザーです。インターネット掲示板の「レディット」にある個人投資家のコミュニティー「ウォールストリート・ベッツ」に参加し、そこに書き込まれた情報を基に個別企業の株の売買やオプション取引を手掛けています。SNS(交流サイト)で話題になったミーム株と呼ばれる銘柄を彼らが買い上げて急騰させたゲームストップ株騒動は、記憶に新しいでしょう。
彼らの中には、ミーム株の急騰に刺激されて株式投資で一獲千金を求める中間層以下の投資家が多くいます。もっとも、ネット上の話題の分析サイトによると、最近はミーム株への言及は急減し、ハイテク株が多いナスダックの時価総額の大きい銘柄の指数に連動するETF(上場投信)「QQQ」への言及が多くなっています。彼らの関心はミーム株からGAFAMなどの主要ハイテク株にシフトした可能性があります。

【今回のポイント】米国の個人投資家は4タイプに分かれ、投資行動も異なる
もみあげさん

米国駐在中の会社員投資家。2018年から米国の成長企業の個別株とETFを売買。運用資産1400万円を4000万円まで増やす。個人投資家に人気のブログ「もみあげの米国株投資」のURLはhttps://www.momiage.work/。20年10月には著書『もみあげ流 米国株投資講座』(ソーテック社)を出版した。
イラスト/じゅんぺい@macsJUM
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