「新しい金持ち」が選んでいる「金融資産」ベスト5を発表…1位に選ばれた「意外な商品」 - ライブドアニュース

世界がコロナの脅威に震撼するなか、富裕層が「資産を守る」方法も多様化してきている。預金、株式、仮想通貨…。果たして、「新しい金持ち」はどのような形で資産を保持しているのだろうか。500人以上の富裕層の資産運用コンサルティングを務めてきた、株式会社ウェルス・パートナーの世古口俊介氏が独自の視点から解説する。
激動の2020年を経て
2021年の金融商品のキーワードは「低金利」と「資産インフレ」である。どちらも2020年から続くコロナによる景気後退に対抗するための各国の財政と金融支援の影響を受けた現象だ。
各国の政府と中央銀行が資金を市場に供給し続けた結果、世界の金利は過去にないほど低くなり、あふれた緩和マネーはリスク資産に集まり、資産インフレを招いている。
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資産インフレを示すもっとも象徴的な数字は株価だろう。アメリカの代表的な株価指数S&P500は2020年の1年間で+16%上昇し、2021年の年初から同年9月3日までの8ヶ月で、すでに+20%上昇している。アメリカ以外の多くの国の株価も基本的には上昇し、またそれ以外の不動産価格なども上昇している。
金利の低下も数字が示している。アメリカの10年国債の金利は2020年の1年間で1%低下し、2020年12月末は0.9%と過去にない低い水準である。そしてアメリカと同じように世界各国の金利が低下しており、現在の世界は「金利が死んでいる」と表現されるほど低金利となっている。
そんな激動の2020年を経て、コロナが常態化した世界の2021年に富裕層はどういった金融資産に投資しているのか。早速、紹介していこう。
第5位:国内REIT
国内REITとは日本の不動産に投資している投資信託で、実物の不動産とは異なり小額から投資でき、すぐに売却できる流動性も備わっている金融資産である。
東証に上場するREITを集めた指数である東証REIT指数は2021年の年初から9月3日の8ヶ月で+20%上昇している。
国内REITはまさに「低金利」と「資産インフレ」によって富裕層から選ばれている投資対象である。世界の金利が低下している中で、国内REITは現在でも3%台の利回りを得ることができ、経済効果は不動産なのでインフレ対応資産として値上りも期待できる。
富裕層がほしいインカムゲイン(定期収入)とキャピタルゲイン(値上り益)を同時に実現する資産として人気というわけだ。
第4位:仮想通貨
仮想通貨とはインターネット上でやりとりされるデジタル通貨で、米ドルや円などの法定通貨のように国家の信用という裏付けがなく存在しているのが特徴の資産だ。
もっとも代表的な通貨のビットコインは2021年の年初から9月3日で+84%も価格が上昇している。
仮想通貨の上昇はリスクが高い資産ほど資金が集まる資産インフレの象徴的な現象だろう。しかし、富裕層は値上りの利益を得るためだけに仮想通貨に投資しているわけではない。実は主な投資目的は「リスクヘッジ」なのである。
ヘッジしたいリスクとは「国家の信用リスク」である。富裕層は国が破綻したときのリスクヘッジとして仮想通貨を資産ポートフォリオに組み込んでいるわけである。
非現実的な話ではない。各国はコロナ対策に巨額の財政資金を投入しており、どの国も財政が逼迫している。先進国の借金の水準は第二次世界大戦以降、最大となっている。
国の財政に対する不安は国の信用力と関係のない資産である仮想通貨に資金が集まることを意味する。過去には金がその役割を果たしていたが、近年では仮想通貨が取って代わっているわけである。
2020年の年初から9月3日までの金(Gold ETF)の上昇率は+19%と、ビットコインの上昇率+603%を比較すれば勝敗は一目瞭然だろう。
第3位:外国ETF
外国ETFとはアメリカのS&P500や日本の日経平均などの指数にパフォーマンスが連動する海外の取引所に上場している投資信託のことである。S&P500に連動する外国ETFに投資するということはアメリカの株式に分散投資していることになる。
外国ETFが富裕層に選ばれるのは資産インフレに「低コスト」で対応できる資産だからだ。
外国ETFの最大の特徴は年間0.1%前後の低い維持コストで運用できることである。日本に存在する一般的な投資信託の年間の維持コストが1%から2%なので、1/10倍から1/20のコストで運用できるわけだ。
富裕層がそんな小さなコストのことを考えるのかと思うかもしれないが、成功している富裕層ほど0.1%のコストの大きさをよく理解している。特にインターネットや金融関連の経営で成功した若く、合理的な富裕層が投資するのが外国ETFという金融商品である。
第2位:ヘッジファンド
ヘッジファンドとは普通の投資信託のように対象資産を買うだけでなく、空売りしたり、高度な金融工学などを組み合わせることで平均以上のパフォーマンスを生み出すことを目的としたファンドである。
富裕層がヘッジファンドを選んでいる理由は「安定したパフォーマンス」を得るためである。
アメリカの株価指数S&P500は2020年2月から3月の1ヶ月程度で最大33%下落した。逆に2020年3月の最安値から同年12月末までで67%上昇している。
仮にたまたま利益が出たとしたとしても、富裕層はそんなジェットコースターのようなパフォーマンスを望んでいない。保有資産がたくさんあるので年間数%の利益を安定的に得ることができれば十分と考えるのが一般的な富裕層の思考である。
コロナ禍の激動の相場を経て、単純に株式を買うだけではなく、空売りや高度な運用手法を組み合わせて安定的なパフォーマンスを生み出すヘッジファンドに改めて人気が集まったわけである。
一言にヘッジファンドといっても独自の運用戦略によって値動きやパフォーマンスがファンドごとに全く異なるため選定には注意が必要である。
第1位:劣後債(ハイブリッド証券)
劣後債とは会社が発行する債券の一種で、会社が倒産したとき残った財産が返ってくる順番が普通の債券よりも後になる代わりに、利回りが高いという金融資産である。株式と債券の中間の資産性という意味でハイブリッド証券とも呼ばれる。
2021年9月現在アメリカ10年国債の利回りが年1.3%程度の中で、劣後債は銘柄によっては年4%から6%の利回りを得ることも可能だ。
劣後債が富裕層に人気なのは現在の世界的な低金利で、利回りを得られる投資先が他にないということと、そもそもの富裕層の投資嗜好に理由がある。
保有資産が多い富裕層ほど大きなリスクをとってまで資産を2倍、3倍に増やしたいとは思っておらず、年間数%程度の利益でいいと考える傾向がある。
しかし、アメリカ国債で年間1%の利益だとさすがに物足りないということで、劣後債が供給する年間5%前後の利回りとニーズがマッチするわけである。
【劣後債(ハイブリッド証券)のイメージ】
出典:株式会社ウェルス・パートナー
今回は2021年に富裕層が選ぶ金融資産ベスト5について紹介した。なお同ランキングは筆者が経営する富裕層向け資産運用コンサルティング会社の株式会社ウェルスパートナーでの多くの相談事例をもとに、私が個人的な感覚で評価をつけたも
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